感謝経済でまわる新しい子育て
中村真広様
中村瑠美子様
neomamaismインタビューブログ。
初めてのゲストは、神奈川県藤野、都心に近い里山に「ありがとう」の気持ちで循環する集落“虫村”(バグソン)をつくっておられる中村ご夫妻です。
「感謝経済でまわる新しい集落をつくる」という壮大な取り組みをされているお二人でも、子育て中にはさまざまな葛藤などを経て、少しずつ今の家族のカタチを築いてこられたそうです。
都心で2人のお子様を子育てされていたご夫婦が、新しい集落をつくろうと移住をされるまでどのような歩みがあったのでしょうか。
「あらゆる感情も肯定すること」「感謝し合う心」を大切にされているお二人のお話を通じて、多くの皆様の前向きな育児に繋がるキッカケとなりましたら幸いです。
初めての子育てはぶつかり合いの連続でした
真広様 「初めての子供の時、プレパパ教室には一緒に行ったりしましたが、自分のベンチャーがもう本当に忙しい時期だったんで、育児に関してはほとんどやっていないと言っても過言ではないです」
瑠美子様 「主人は完全に東京で仕事をしていて、私と子供だけ、産後1ヶ月ぐらい千葉の主人のご実家でお世話になりました。
初めての慣れない育児の中、主人が育児をしてくれないことに関しては、インタビューに載せられるようなものではないんですけど、やはりぶつかり稽古でした!笑
『仕事頑張っているね』みたいな優しいことは言えず『こっちはこんなに頑張っているのに!』と常にバチバチしていました。
友達とも出産時期が近かったので集まって愚痴大会とか!
都内に住んでいたので児童館に行ったり、外に出て行って気晴らしはしていました。
それでも当時は、夫婦間のわだかまりがどんどんたまっている状態で、今思うと私自身うまくリセットできるような方法があればよかったなと思います」
真広様 「自分としては『仕事は仕事で大変なんだよ』と思っていましたし『わかってくれないし、応援をされていない』となってました。
お互いが頑張っているのに、正義と正義のぶつかり合いで、誰も幸せになれない戦いをしていましたね。多分、多くのご家庭もやっているんではないかなって思います。
価値観の違う二人が出会い、カップルだったところから、夫婦となり家族が増えて、親になるって相当な変化だと思うんです。
『その変化に、人は簡単にはついていけない事は当たり前なこと』その時に自分と向き合うことが大事だと思っています。
上の子が2歳ぐらいの時に、さまざまなことをリセットしたり、浄化したいと家族で屋久島に行ったんです。
その時に、いくつかの家族で擬似の拡張家族のように一週間くらい共同生活をする機会があって、そこで血が繋がってなくても誰かと一緒に暮らすということって、子供を育てる環境として非常に楽なんだなと感じたんです。
東京に帰ってきてこのまま都心で住んでいていいのかね?みたいなふうに思ってきたところがきっかけになって今の移住に繋がっています」
第二子出産時の変化
真広様 「二人目の時はちょうど、いろいろ自分の中でも人生の変化があったタイミングだったんですよ。
僕が創業して10年間共同代表でやっていた会社の代表を降りて、少し自分の手元に余白ができたタイミングで第二子が生まれたんです。上の子は保育園に遅くまで預かってもらえたのもあって里帰りはせずに自宅で過ごしました。
妻は産後、体調不良でめまいと耳鳴りとかで結構しんどくなっていたのもあり、赤ちゃんと俺が同室で夜間の対応をして過ごしましたが、ナメていましたね!笑
睡眠不足にはそこそこ慣れていたので、いけるかなと思ったんですけど、睡眠不足とは訳が違うなと感じました。
ようやく寝たなと、自分も寝ていて眠りが深くなっているタイミングで泣くんですよ。どんなに眠くても起きて、おむつ替えて、ミルク作って…
何に泣いているか話せるわけでもないし、一緒に遊べるわけでもない。
正直、しんどかったです。
昼は昼で休めるわけではなくて夜も寝られない、それが毎日続き終わりがないから。
それを産後のママは、体調がすぐれない中やっているんですよね。
なんか頭では理解できるけど、何が大変なのかがわかんないっていうのが男だと思うんですね。
ここまで大変なことというのは、実際に体験してみないと気づけなかったから、あの時やって良かったと思います」
瑠美子様 「都心で夫婦と子供だけで子育てするっていうのが、現実問題難しい。むしろ2人だけでできることではないと感じました。
お金を支払えば、さまざまなサービスや教育機関に助けてもらうことができるけど、子供を育てる環境でそれ自体どうなのかな?と感じるようになりました。
私自身は、母親が他界しているので親に相談できる環境があればとか、成長の姿を見せたかったなっていうのがありますし、自分の気持ちとかを気楽に話せる相手がいればよかったなと思います。
愚痴ったり、アドバイスを仰いだりっていう先輩がいないのは少し寂しいから、それは精神的な支えとして子育て中に必要だなと感じました。
だからこそ、お互いが感謝の気持ちで助け合いながら子育てをできる環境を“虫村”で実現したいという想いもあります。
大人が1人いて、少しの間子どもを見てもらうだけでも、親の気持ちとか余裕が違うので思い切り楽しめるような環境で子育てができたらと思います」
子供たちの成長と共に気持ちの変化が
瑠美子様 「自分たちが子どもを育て、親になるんだろうなっていうのは自然な流れで疑ったことはなかったです。
生まれる前の理想として特別「こういう教育を受けさせたい」とか「このように育ってほしい」ということもありませんでした。
ただ「健康に生まれてきてくれるかな?」「元気に成長してほしい」と皆さんが願うように子どもを迎え、がむしゃらに子育てをしてきました。
その中で、子どもの成長と共に私たちの考え方も、その都度アップデートされていった感じです」
真広様 「漠然と自分たちがやってきたような受験戦争で、この社会のシステムの中で適合するような教育システムに子供たちが乗っかってくっていうのは何か違うな、と感じていたところ、シュタイナー教育の学校が藤野にあると知人から聞いていたことを思い出しました。
子どもは都内の保育園に楽しく通っていましたが、周囲からお受験の話が聞こえるようになって「我が家は違うんではないか?」と感じたタイミングで、シュタイナー学園のオープンスクールに家族で体験に行きました。
値付けをしない経済こそ、本当の自由な経済圏でそういったことを“虫村”で実現したいと考えていた頃だったので、まさに同じような思想でもあるシュタイナーの教育方針にも共感し、導かれているなと感じましたね。
『でも移住か…』と考えていた中で、コロナ禍になり『このタイミングしかない!』と移住を決断しました」
【シュタイナー教育とは】
ルドルフ・シュタイナーによって提唱されたシュタイナー教育は、子どもが意志、感情、思考において調和のとれた人間として成長することを目的とし、そのために、人間の心身の発達段階に応じた独自の教育を行っています。
年齢によって、意志・感情・思考に働きかけていくことによって、子どもたちはそれぞれの方法で「他者に依存せず、自立した判断ができ、物事を深いところで体験し、創造的に行動する人間」へと成長していきます。
引用:横浜シュタイナー学園HP
移住生活での変化
瑠美子様「都内だとすぐにUberEats、目の前がコンビニで便利な生活。
お金さえ支払えば何でも手に入る生活だったので、藤野に引っ越してから数日はもちろん戸惑いもありました。
しかし、生活していくと次第に『今まで必要と思っていたものがなくても、こんなにも豊かで幸せに暮らせるんだ』と感じることも多くなりました。
コミュニティーもいい意味で密なので、風邪を引いたと聞くとみんなが高野豆腐や煮物を玄関先に置いてくれてたり、UberEatsやネットスーパーは無いけど、ご近所の方がお買い物してきてくれたりします。
そういう機会が多く、助け合って生きているんだなと実感できるし、すごいありがたい感謝経済が藤野にはあります。
そういった環境のもと、子育てしていく中で、自分たちの考え方や見え方もまた変わってきていると感じています。」
真広様 「自分たちと同じように『この地に移住したい』『ここで子育てをしたい』という方も多くいるのに、居住地がないのが現状。
だからこそ足がかり的に、地元に馴染んでいったり、ライフイメージを持ってもらえるようなファーストステップの環境として“虫村”をつくっていきます」
子育てで意識されていること
瑠美子様 「小さなうちからの関わりに関しては、できるだけ目線を合わせて話をする、したい行動はできるだけ遮らないということは意識していました」
真広様 「藤野という土地は画家や彫刻家、クラフトマンといった表現者が多いけど、そういうのに意識的に触れさせようというのもなくて、子どものやりたい気持ちをサポートしたり、尊重してあげたいという気持ちが2人のベースにあります。
もちろん、普段そう意識していても、感情が上回ってしまうことはあります。笑
そういう時ほど、お互いのそれぞれの役割というのがあるので、感情のバランスを取るようにして子どもの居場所はどちらかにあるように意識しています」
瑠美子様 「常に何かの感情を出さないでいる完璧な大人はいないし、感情的になってもいいと思う。
大人も子供も人間同士だということですね。
結局その後の方が大切で、素直にこちらもごめんねを伝えると子供も心を開いてくれる。
自分たちや藤野の方々との関わりの中で、子どもたちに自然と『優しさがあると優しさで返ってきてくれる』そういうことを分かっていってもらえたらなと願っています」
お話を伺っていると、子育て中の感情をありのまま受け入れ、向き合ってこられたお二人の自然体のお姿からは、“家族が増えて親になる”時の葛藤や変化は、家族を築き上げるための大切な“材料”とさえも思えました。
『我が家の“材料”は、どのようなカタチに築いていくんだろう?』
子育ての困難も葛藤も視点を変えて前向きになれる、そのような素晴らしいお話をお伺いできました。
中村様、貴重なお話をありがとうございました!
中村瑠美子様の役に立ったオススメグッズ
CuboAi ベビーモニター
引用:CuboAi 公式サイト
瑠美子様「生まれたてのころは都内のマンションに住んでいたので、別部屋に赤ちゃんを寝かせていた時にベビーモニターはすごく有効でした!
この商品は、顔を認識して寝返りや窒息防止アラートを出してくれたり、寝ている間のベストショットを勝手に撮ってくれたりとものすごくハイテクでした!」
ご紹介いただいたベビーモニターの主な機能
・顔認識カバー防止&寝返りアラート機能で
泣いたり、顔に何かかかっていたりするとお知らせが来る
・室温や湿度もチェックできる
・毎朝届く睡眠習慣レポートで、起きた時間や
泣いた時間、睡眠時間などの記録ができる
・赤ちゃんの睡眠に適したホワイトノイズなどBGMがかけられる
エイテックス キャリーフリー チェアベルト
引用:エイテックス 公式サイト
瑠美子様「ベビー椅子がない時でも、簡単に椅子に取り付けられるベルト!お母さんの腰に巻けば、赤ちゃんを膝に乗せて食べることができます。」
コンパクトで持ち運びも簡単で、洗えて清潔に保てることもママの嬉しいポイントだと思います!
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