日常がアートに。美しいおもちゃと共に子育てできる幸せ
neomamaismインタビューブログVol.8。
今回のゲストは、「設計事務所主宰+おもちゃ屋店主」であるkiko様。
小3男の子と年中女の子のママです。
Instagramでは、Bauspiel(バウシュピール)やGRAPAT(グラパット)、SARAH’S SILKS(サラズシルク)、Abel blocks(エイベルブロック)など…。
世界各国から集めた、美しいおもちゃを使用したお子様の作品がならび、リビングがまるで美術館のような空間となっているお写真がとても魅力的です。
部屋に散らかるおもちゃさえも、『こどもたちの遊びの跡』とインテリアの一つと捉えてしまうkiko様に、お子さまの作品を残すコツや空間作りのヒントを伺いました。
生い立ち
— kiko様はどのようなお子さまでしたか?
出身は名古屋で今も住んでいます。
小さな頃は活発なタイプで、運動とか身体を動かすことが好きでした。
家で遊んでいるというよりも、外で走り回っていることが多かった記憶があります。
今はおもちゃ屋をしていますが、小さな頃からおもちゃ集めが好きだったと言うわけではないんです。
でも親が海外のおもちゃが好きで、クリスマスプレゼントに綺麗な積み木をくれたりした記憶がいい思い出として残っているのは、今のルーツになっているのかなと感じています。
— 現在一級建築士として独立されていらっしゃいますが、いつ頃から目指されていたのでしょうか?
高校の進路選択では進路を全然決められない状態でした。
とりあえず理系の大学に行けばどうにかなるだろうと思っていて。
友達の影響で、洋服が好きになりおしゃれを楽しむ中で次第に『デザインが学べる大学とはなんだろう?』と考えた結果、建築学科に進んだ感じです。
そこで建築のことを学び、新卒で設計事務所に入り最近独立するまでは、ずっと勤めていました。
ご出産の様子
— 最近まで設計事務所にお勤めだったとのことですが、産休を取られていたのでしょうか?
出産時の思い出などございましたら教えて頂けましたら嬉しいです。
そうですね!制度が整っている会社でしたので、子ども2人それぞれ産休と育休、復帰後も時短勤務で働いていました。
出産の記憶としては1人目の妊娠期間はもちろん、初めてのことでわからないことばかりでインターネットでひたすら調べていました。
『お腹の子にクラッシックを聞かせるといい』とか!笑
今思うと効果があったのかな?と思うものもありますが、お腹の子にとっていいと言われていることは調べて試していました!
出産の時は、里帰り出産はせずに退院後は自宅に戻りました。
実家が近いと言うのもあり、時々親に来てもらうというスタイルが1人の時間もあったり気楽だったのかなと思います。
夫も同じ建築士で事務所を立ち上げていたので、他の仕事と比べると時間の都合はつけやすく、産後すぐは早く帰ってきてくれたり、休みをとってくれていたので、なんとかなったんだと思います。
必死だったので、あまり記憶がないのですが…
とにかく寝てもらうために、朝出発して3時間ぐらいベビーカーに乗せて散歩に出て過ごすことが多かったです。
夫も仕事が忙しく、基本的には夕方まではワンオペ状態だったので、今思うと頑張りすぎていたなと感じています。
当時は保育園の待機児童問題がひどい時期だったこともあり、上の子は0歳の4月に入園しないと保育園に入れない状態だったので、生後半年で保育園に入れて仕事復帰しました。
2人目は冬生まれだったので、1歳数ヶ月で入園して仕事に復帰予定でしたが『朝も夜もワンオペ状態だと仕事復帰してからかなり辛いのではないか?』と感じていて…
こどもたちがそれぞれ違う園に通うことになったこともあり『このまま仕事に復帰して、朝夕2人の保育園の送迎やお世話は難しいから、夫婦で半々になるようにできないかな』と夫に話をしました。
それからは夫も、朝は息子を保育園に送り、18時ごろには仕事を終えて上の子の迎えを担当してくれたり。
平日に、私1人で子ども2人を見る状況にはならないようにしてくれて、夫婦で協力しながらなんとかやって来た感じです。
— 里帰りもされずにワンオペで子育てをされていたとは本当にすごいです!1人で抱え込まずにそのようにご主人様に伝えることが大切なんですね。
おもちゃ屋を始めた意外なキッカケ
— 実際におもちゃ屋を始めたいと思われたキッカケはあったのでしょうか?
産後復帰して時短勤務で働いていたのですが、下の子が小学校4年生になると夜遅くまでの働き方に戻ってしまうことを懸念していました。
さらに、年齢が上がるにつれて任されるプロジェクトも数年単位の大きなものになってしまう。
そう考えた時に、大きなプロジェクトが終わる時点で辞めることを決めていましたが、まだおもちゃ屋になろうとは全く考えていなかったんです。
そんな時…育児休暇中に父が急に亡くなりました。
定年退職をして、これからは自分のやりたいことをしたいと父が準備していた中の一つに『地域の子どもたちと一緒におもちゃを作りたい』というのがあったんです。
道半ばでやりたいことを果たせず逝ってしまった父に、なんだか『代わりにやってくれ』と言われている気がして…
もともとデザインやおもちゃが好きだったこともあり、おもちゃと建築を繋げることが私のライフワークになっていくのかなと考えるようになったんです。
さらにちょうど仕事を辞めるタイミングで、夫が一緒に事務所を借りようと提案してくれました。
借りることに決めたのは2人の机と打合せスペースとしては少しゆとりのある空間。
そこで『おもちゃ屋をしてみよう』と初めて思い始めたんです。
子どもたちに話しても、どういうことなのか分かっていない感じでしたが、形になって見えるにつれて協力してくれるようになり、今では週末におもちゃ屋のスタッフとしてお手伝いをしてくれています。
子どもたちにとっても、学校と家とは違う『自分のやりたいことを安心してできる第3の居場所』になっているように感じますし、父も空から見てくれているように時々ふと思います。
そして自分にとっても、老後もずっといられる居場所を作らなきゃと思っていました。笑
いずれは人が集まれるような広さで、『おもちゃが好きな人が集う場所』『子どももママも楽しめる居場所』そんな空間を作っていけたらなと思っています。
おもちゃとお子さまとの関わりで大切にしていること
— おもちゃはお子さまが生まれてから集められていたのでしょうか?選ぶ際に意識されていたことや赤ちゃんの時期のおもちゃの選び方がございましたら教えてください。
設計デザインの仕事をしていることもあり、インテリアなどこだわることも好きだったので、おもちゃも可愛いものを選びたいなと思っていました。
会社の方からまとめて出産のお祝いを頂けることになった時に、自分ではなかなか買えない積み木のおもちゃをお願いしたり…少しずつ集めていった感じです。
赤ちゃんの頃から綺麗な色に触れさせてあげたいと意識して選んでいました。
特に赤ちゃんの頃にあってよかったなと思っているのが、シルク生地の布のおもちゃです。
赤ちゃんの頃は、触り心地を楽しんだり、いないいないばーをしたり、日除けとして使ったりしていつも持ち歩いていました。
私自身も綺麗な色や触り心地に近くにあるだけで癒されていました。
工夫次第で色々できて、色や触り心地がいいので子どもたちのお気に入りのおもちゃです。
今でもマントにしたり、お人形遊びに使ったりしています。
— お子さまだけでなく、自分自身も見ているだけで癒されるという気持ちも、選ぶときに大切にしたいですね。
赤ちゃんの頃から使っているおもちゃを今も楽しんで遊んでいるということがとても素敵です!
成長するにつれて、メディア機器など他に興味あるものも増えると思うのですが、おもちゃの遊び方で意識していることがあれば教えてください。
うちの子もゲームやタブレットが大好きですよ!
ただ平日1時間など時間を決めてするようにしています。
あとは、お手伝いしたらお小遣いというご家庭もあるかと思いますが、我が家の場合はお手伝いするとゲームする時間が15分単位で増やせます。
さらに繰り越し制度もあります!笑
ずっとやり過ぎることもなく『もう少ししたいな』という時のために自分で調節しながら時間を使ってます。
私自身だってスマホを使っていますし、学校ではタブレット学習が当たり前の時代なので『メディアとうまく付き合っていく方法を身につけること』が今の子どもには大切なのかなと思っています。
ゲームから得るものもあるようで、プログラミング要素もあったり、ローマ字も覚えなきゃいけなかったり…攻略本を買って夢中で研究しています。
最近はゲームの内容を積み木で表現したり、さまざまなおもちゃを使いすごい大作を作ることもあります。
無いものは、あるものを工夫して作ったらいいんじゃない?とヒントを伝えるようにはしていますが、毎回子どもの発想力の方が上回っていて驚かされます。
— メディアとすごく上手に付き合っておられる様子がとても参考になります!ゲームとおもちゃ、それぞれの遊びから得られるものが違い、良いバランスを保っているのですね。
時間をかけて驚くような作品を作られることもあると思いますが、そういった時はどのように残されているんでしょうか?また、おもちゃで遊んでいると散らかることも多いと思いますが、工夫されていることがあれば教えてください。
我が家もすぐ散らかるので『片付けて』とよく言っています!
積み木とかで作り出した時は、初めに『この壁側に作ったら壊れないんじゃない?』と誘導して作ったあとは1週間ぐらいそのままだったりします!笑
それを土台にまた違う遊びが広がり、記録として写真を撮ってから『見向きもしなくなったな』というタイミングで片付けてもらいます。
色々広げて遊ぶことも多いですが、残す時は1つか2つにしようと選んでもらい、とりあえず気が済むまで飾ります。
あと最近は色々見立てて横に広がる作品も多くなってきたので、大きめの板の上で作ってもらうようにしています。
そうするとそのまま移動できるので、掃除や保管もしやすいです。
板自体もおもちゃの一つになっていて、そこに世界が広がる様子が面白いなと思います。
— 板も木製のインテリアに馴染むデザインで素敵ですね!移動できることがとても便利なのでぜひ我が家も取り入れてみたいです。
お子さまの作品がリビングで美術館のようにインテリアの一つになっている幸せな空間がとても素敵ですが、お子さまの作品の飾り方や残し方のコツを良かったら教えてください。
夫と私は子どもたちの世界観が好きで作品のファンなんですよ!笑
最近はいい絵ができたらお金を払って買うこともあります。
新しく増えた時は絵を入れ替えたり、保管しているものの中から時期や気分で入れ替えたりして、我が家のリビングに欠かせないインテリアになっています。
壁に金属部品が入っているので、そこにマグネットで留めたり、マスキングテープを輪っかにして貼ったりすれば、壁への負担も少ないのかなと思います。
収納方法については専用の保管ボックスに、今まで制作した大きな作品はほとんどまとめて入れています。
見返すと子どもの成長と同じように作品も成長していて見ていて面白いです。
ちょっとした紙に書いてくれた作品って、どうしようか悩ましいと思うのですが…笑
ひとまずは大きな袋に書いたものを入れて保管して、いっぱいになったら私が残す作品を選定します。その際保管しない作品も含めてすべて写真に残しています。
保管することにした作品は、ジップロックにまとめて入れ、大体の年月をメモしてから作品保管用のダンボールに入れて永久保存です。
おもちゃの作品もそうですが、写真に残していることで、子どもがふと思い出し『あの時の見せてー』といった時に役立ってます。
— 親が自分の作品の一番のファンってお子さまにとって何より嬉しいことですよね!
そのようにkiko様が作品と大切に向き合っている様子はお子さまに伝わり、より素晴らしい作品が生み出されるんだなと感じました。
最後にお子さまへの願いなどございましたら教えてください。
自分で考えてそれを最後までカタチにするということは、大人になってもやっていって欲しいなと思っています。
私の座右の銘は『無いなら作る。とりあえず行動してみる』というのがあるので、親としてその姿を見せて行けば、それが自然なものとしてやり続けていってくれるのではないかなと思っています。
— 幸せな暮らしの一場面を丁寧に残し、お子さまとの生活感もインテリアと捉えるkiko様。
また、おもちゃ屋を始められたキッカケは予想外でしたが、親を持つ同世代のものとして胸が熱くなるお話でした。
何気なく描いた作品も、作り上げたおもちゃも大切にしてくれるママの存在はお子さまにとって何よりの原動力になりますね。
『子どもの作品の一番のファンである』そのような考え方も素敵です!
kiko様、貴重なお話をありがとう御座いました。
kiko様の役に立ったオススメグッズ
【サラズシルク】Playsilks Blossom
cybexのベビーチェア
引用:cybex-japan
コニー抱っこ紐
引用:konnybaby
kiko様Instagram
https://www.instagram.com/kiko__502/
幸せに暮らすための実験
⍋ 名古屋在住| 2児の母|一級建築士
⍋ 設計事務所主宰+おもちゃ屋店主
⍋ 自宅も事務所もリノベーション
⍋ ズボラな効率厨
⍋ インテリアに馴染む美しいおもちゃ
おもちゃ屋さん☞ @metsa_toyshop
設計事務所☞ @metsa_design
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