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食育モンテッソーリ教師が伝えたい『食育を行う上で一番大切なこと』

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neomamaismインタビューブログVol.9。

 

今回のゲストは、モンテッソーリ教師で親子料理研究家の石塚様。

 

10歳の女の子と7歳の男の子のママです。

 

Instagramでは、乳幼児の食に関する役立つ情報や、モンテッソーリ視点の食育について発信されています。

『食育』に関しての役立つ情報だけではなく、食に悩まれているママの気持ちに寄り添った投稿が魅力です。

 

大切な我が子の身体をつくる『食』だからこそ、妊娠中から悩まれる方も非常に多いと思います。

 

今回は、毎日の食事の中で気負わず簡単にできる。身体や心の成長にも繋がる『食育』について伺いました。

 

 

 

食べられなかった幼少期

 

— Instagramにて石塚様は幼少期、偏食だったと拝見しましたが、どのようなお子さまだったのでしょうか?

 

現在の姿からは想像できないと思うのですが、幼少期は食べられる食材や量がものすごく少なかったんです。

食べられるものは、じゃがいも、もやし、茄子とお肉ぐらい…。

 

当時はとにかくお米が大嫌いでした。

よくつわりの時期に『お米の匂いが辛い』と聞くと思うのですが、幼少期に同じことを感じていたんです。

 

匂いを嗅ぐだけで気持ち悪くなっていましたし、水分量の違いの『ベチャッとした感覚』や『冷蔵庫に入っていて温め直したご飯』の違いにも敏感で、食べられませんでした。

 

今でいう『繊細さん』で、食に関しての感覚がすごく敏感だったんだと思います。

 

 

— お子さまが食べてくれないと不安になるママも多いと思いますが、石塚様に対してご家族はどのように関わっておられたのでしょうか?

 

ありがたい事に、私が食べないことに対して何も言わない母でした。

第二子だったので「どんとこい!」というのがあったのかもしれません。

 

姉や母自身がよく食べる人だったので「あなたが食べないなら、もらっちゃうね!」ぐらいの感じで。笑

 

「お母さんとお姉ちゃん、よく食べるなー、面白いなー」と見ていたり、ご飯に乗った鰹節がゆらゆら揺れている姿をじっと眺めていたり…

 

私自身は食べることができない時間でしたが、怒られることも悲しい記憶もなく、家族で過ごす食事の時間自体は楽しかったんです。

 

なので、家庭では偏食でも難なく過ごしていましたが、幼稚園では「給食は残せません」という時代で、全部食べるまでは残されていました。

いつも、『のりたま』がのっているご飯を無理やり食べていた辛い記憶が残っています。

 

今はご飯も大好きですし、いろんなものが食べれるようになったのですが『のりたま』だけはあの時の感覚がよみがえり、今でも好きではありません。

 

モンテッソーリ教育の視点からも言えることなのですが、食事に大切なことは「何を食べるか」よりも「どう食べるか」の環境が重要だと感じています。

 

親としては『子どもに食べて欲しい』と思う気持ちがすごくあると思うんです。

ただ、10年、20年という長い年月で考えた時に、「無理やり食べる一口の栄養価」よりも「食卓で過ごした楽しい記憶」の方が大切だと思っています。

 

「食べない時もあるよね!」と気楽にお子さまと食事の時間を楽しく過ごすことの方が大切なのかなと今となって感じます。

 

— そう思うと、少し気持ちが軽くなります!それだけ食べられないものが多かった方が、どのようにして食べられるようになったのでしょうか?

 

私の場合、小学生ぐらいになり「これを食べられる自分ってかっこいい!」「お友達と同じ食べ物を食べたい!」と、周りのお友達の影響を受けて食べられるようになりました。

 

敏感だった感覚が、成長と共に変化していき、「お友達と同じように食べたい」という心の成長が自然と整った時に、食べられるものが増えていくのかなと思います。

 

 

多くのママから「子どもが食べてくれない」とご相談を受ける機会も多いのですが、「こだわりが強く食べられないということは、それだけ『味の違いがわかる』才能があるということ。それも一つの素敵な個性なんですよ」とお伝えしています。

 

— 食べられなかった幼少期から現在食育のプロとしてご活動されているお姿が、子どもの偏食に悩まれるママにとっても希望になりますね!

 

 

 

モンテッソーリ教師として

 

— モンテッソーリ教師になられたキッカケはあったのでしょうか?

 

元々は教育や子どもに全く関係のない、マスコミ業界で働いていました。

 

実家で暮らしている間は、ずっと母が身の回りのことをしてくれていたので、一人暮らしをはじめてどう「生活」したら良いのかがよくわからず…

自分で食事をすることも、身の回りのことをすることも十分に出来ず、忙しい仕事とのバランスを取れずに身体を壊してしまったんです。

それを機に、ゆっくり働きたいと希望を出して人事課に異動しました。

 

 

当時はマスコミ業界はまだ人気が高く、優秀な学生を面接する機会も多かったんです。

でも、「どのような仕事をしたいですか?」と質問すると「私に合う仕事をくれればなんでもいいです」と返答する子がいて…。

こんなにも優秀な学生でも、自分の意志をもたないことに衝撃を受けました。

 

 

その頃の就職活動は、親が一緒に会社説明会に参加したり、内定をもらっても保護者への確認が必要だったり。

自分の意見が言えない子たちの姿を見ていたら「家庭環境が原因なのでは?」と次第に思うようになったんです。

 

私自身も「親になんでもしてもらっていた」ために自立した生活ができず、体を壊した直後だったこともあり、自分自身の今までの生き方や環境、これからのことを見つめ直すきっかけとなりました。

 

そして人事で『人を育てる』ということに意識が向いていたこともあり、「どのように育つことが理想なんだろう?」と、追い求めていた時に知ったのがモンテッソーリ教育でした。

 

「これこそ、生きていくのに必要な力なんではないか!」と思い、会社を辞めてモンテッソーリ教育の世界に飛び込んで行きました。

 

— すごい行動力です!モンテッソーリ教師というと”保育の現場で子どもたちに教える”イメージがあったのですが、石塚様は育児支援を目的としたNPO法人を立ち上げ運営されていたとのことですが、どのような想いで始められたのでしょうか?

 

私自身が、社会に出て苦労した経験から「教育の現場だけではなく、おうちでの関わりも大切なのかな」と思うようになったんです。

 

自分の育ってきた家庭環境はモンテッソーとは真逆で!笑

母は、いつも完璧に家事をしてくれて、さらに過保護だったので、私は「自立した生活」の仕方を知らないまま大人になり、社会に出てしまったんです。

 

愛情をいっぱい注いでくれたことは伝わっていますし、ワンオペ状態で母なりに精一杯私を育ててくれたんだろうなと思うと、母を責める気持ちにはならないのですが、モンテッソーリ教育を勉強した今「自立した生活力」こそ家庭でしっかり身につけるべきことだったなという思うようになり…。

 

「頑張っているママの応援や手助けをしたい。」そのような場所を作ろうと思ったんです。

 

 

自分自身もママになって

 

— ママにとってそのような居場所は本当に大切だと思います!石塚様自身の妊娠やママになられてからの心境の変化などがありましたら教えてください。

 

それまでは食に関して無頓着で、冷凍食品やできあいのものを食べていた生活だったのですが、健診で初めて助産師さんの食事指導を受けた時に「自分の食べたもので赤ちゃんの身体ができているんだ!」と思ったら急に怖くなったんです。

 

ちょうど、夫が体調不良になったことも重なり、『食の大切さ』を実感しました。

 

そうなるとストイックな性格なこともあり、『添加物はよくない』とキッチンからカタカナのついているものを全部捨てたんですよ!

 

でも、きちんと料理が出来るわけでもなかったので、イマイチ味のきまらない料理を『赤ちゃんのため』という一心で食べていました。笑

 

 

— 今のお姿からは想像がつかないような妊娠中の食事で驚きました!出産後はどのように過ごされていましたか?

 

出産後は里帰りもせずに自宅で過ごしました。

 

初めての出産後は『急に社会と切り離される孤独感』が怖くて自分の居場所を持っていたいという気持ちがあり…産前に立ち上げを行ったNPO活動にも注力していました。

 

 

子育て支援のNPO法人ということで、産後の私にもやさしい環境でしたから、生後1ヶ月半頃から子どもを連れて活動を再開していました。

 

でも、実際子育てをしていると、毎日の忙しさに追われて『モンテッソーリ教師』なのに上手く我が子に関われないもどかしさに悩んだりもして。

 

さらに子どもが動き回るようになると、子連れでNPOの仕事をすることが難しくなり、保育園の入園と育児への専念を悩んだ末、「今、私にしかできないこの時間を大切にしたい!子どもと過ごせる時間を心からたのしみたい!」と、下の子が6歳になるまでは子育てを最優先に仕事をセーブすることに決めたのでした。

 

 

食育モンテッソーリ教師誕生のキッカケ

 

— 石塚様もそのような苦悩の時期があったのですね。そのご経験が現在のママの気持ちに寄り添った発信に繋がっているように感じます。

現在の『食育モンテッソーリ教師』として活動されるキッカケはあったのでしょうか?

 

 

子どもの月齢が進んで、大人と同じようなものを食べることになった時、私は料理に自信がなかったのでちゃんとした美味しいものを作ってあげたいなと考え料理教室に通うようになりました。

 

そこで出会ったのが『重ね煮』です。

 

重ね煮は食材のうま味を引き出していく調理法で、はじめて自分が作ったお味噌汁が美味しいことに感動し、すっかり魅了されてしまいました。

 

そうすると好循環が生まれ、美味しく食べる→ママがパワフルになる→ご飯を作ることが楽しい→ママが楽しそうだから子どももやってみたい!となる→自分で作ったご飯って美味しい!

 

子どもに自然と『食』を楽しみたいという気持ちが出てきたことが、何より嬉しかったです。

 

「こういう環境にしたら子どもと安全に一緒に料理ができるよね」と、ようやく今まで学んできたことをモンテッソーリ教師として活かせているように感じました。

 

料理を通じて親子のいろんなコミュニケーションが増え、子どもがぐんぐん成長していく姿に、私自身も親として成長させてもらい自信に繋がりました。

 

「我が子がこんなにも成長した方法を、他の人にも知ってもらいたい」と、子ども向けの料理教室をしたいと始めたのが『食育モンテッソーリ教師』の始まりです。

 

 

—『食』から生まれる好循環のすごい効果で、改めて食の大切さを感じました。お子さまが具体的にどのように興味を持ってきたのか、興味を持った時にどのように一緒にすればいいのか教えていただけましたら嬉しいです。

 

上の子が料理に興味を持ち出したのは1歳半〜2歳ぐらいです。

 

誘うわけではなく、私が楽しそうに料理をしている姿をみて自然と寄ってきた感じです。

 

下の子に関しては、私と上の子が楽しそうにしている姿を見ていたので腰が座ってきた頃にはもう一緒に料理をしていました。

 

よくお子さまと食育を始めるのは2〜3歳くらいかなと聞きますが、私は0歳からでも始められると思っています。

 

—0歳からでもできることがあるんですね!つい、キッチンに近づいてくると「一緒にいてあげたいけど…危ないんじゃないか?」と思うのですが、0歳から取り入れられる食育は具体的にどんなことをすればいいのでしょうか?

 

ぜひ、一緒に台所で過ごしてください。台所には、食べ物の匂いがします。音がします。食材や調理道具に触れることもできます。

 

もちろん安全対策は重要なので、赤ちゃんの手の届く場所には危険物を避け、『触っても良い環境』を作ってあげることが大切です。

 

うちの子の場合は、ボールやおたまを棚から出してカチャカチャしたりしていました。

 

料理をする大人のそばにいるだけで、子どもは楽しそうに過ごしているものなんです。

『食育』と聞くと難しく感じる方もいるかもしれませんが、気負わず少しずつ、子どもの発達に合わせてたのしんでもらえたらと思います。

 

あと洗剤や危険なもの、触って欲しくない場所を触ろうとしたら「ここは触らないよ」と繰り返し伝えることも大切です。

 

「できることが増えたよね」「わかってくれてありがとう」「約束を守れるね」という信頼関係を少しずつ深めていけば、子どもの発達に合わせていろんなことを任せられるようになっていきます。

 

 

台所は『食』を学ぶだけではなく、親子の約束事やルールを学べるとてもいい場所だと思います。

 

 

— 食育と聞くとつい難しそうと感じる方も多いかと思いますので、環境を整えてあげることから始めるといいのですね。

 

 

 

これから妊娠ご出産を迎える方へ

 

— 最後に、妊娠中の方や子育て中の方へ、積極的に取り入れた方が良い食材や、意識すると良いことがあればぜひ教えてください。

 

今は産休、育休を取られる「働くママ」が多いので、きっと出産ギリギリまで忙しいと思うんです。

 

目の前の忙しさプラス、これから赤ちゃんを迎える忙しさの中、さらに自分のことまでなかなか気が回らないと思うんです。

 

そのような中で、やっぱり『重ね煮』は簡単に作れて栄養を取れるのでオススメです!

 

忙しいからこそ、旬の食材を切って、重ねて、火にかけるだけ。

季節ごとに味も変わり、レパートリーを増やさなきゃというストレスもないんです。

離乳食の取り分けにも活用できるので、ぜひ今のうちから取り入れてもらえたらなと思います。

 

でもね、そんな風に「いい事をしよう」と頑張るより、『自分が好きなものを、ほっとしながら食べてリラックスする』

実はそれが一番大切なことだとも思っています。

 

ママは赤ちゃんのために色々しなきゃと考えてしまいがちですが、赤ちゃんにとって何より大切なことは「ママの存在」なので。

 

だからこそ、『ママがゆったりと自分の身体を大切にするような時間』をぜひとって欲しいなと思っています。

 

私自身は母乳でしたが、当時と比べると今は粉ミルクもいろんなものが出ていたり、選択肢もすごく多くなっていると思います。

正直、どれでもいいと思うんです!笑

 

偏食もそうですが、日本の医療ってすごいので、病院にかかれば何とでもなると思うんです。

でも、病院にかかってもどうにもならないのは気持ちの部分だなと感じていて…。

親子の信頼関係やおうちがリラックスした空間であるというのは、どんなにお金を払ったとしても得られるものじゃないんです。

 

どのような選択をしても「将来的にはどうにでもなる」と思うので、今一番大切なことは“ママ自身が笑顔でホッとしながら子育てをすること”。

 

そのような自分の状態を意識することを、ママに一番大切にしてほしいなと思っています。

 

 

— 子どもの身体を作る『食』に悩みが尽きないママにとって心が軽くなるようなお話でした。

まずはママ自身がリラックスして楽しめることが大切なんですね。

様々な情報の中、大切な我が子のためにと頑張りすぎてしまう時は、ぜひ今回の石塚様のお話を思い出して頂けたらなと思います。

『子どもにとってはママの笑顔が一番大切』そのような考え方も素敵です!

石塚様、貴重なお話をありがとう御座いました。

 

石塚様の役に立ったオススメグッズ

 

ガーゼタイプのおくるみ

 

 

子どもを包むだけでなく、授乳ケープ、日除け、ピクニックシートがわりなど外出先で色々と活用ができてよかったです。

頂き物などもあり、複数のおくるみを使用していたが、何枚もあると洗濯やシーンに合わせた使い分けなどができて便利でした。

今でも車に置いていたり、活用しています。

 

 

石塚様Instagram 

 

dekitayo_montessori

 

石塚様Instagram:引用 

AMI公認国際モンテッソーリ教師が伝える
乳幼児の食に関するお悩み解決

何を食べさせたらいいかわからない
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